新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

新人も指導者も一緒に介護用語を学ぶ必要がある


介護現場の新人育成を始めてから、本当に多くの現場の職員さんと関わってきました。
新人職員100日プログラム(詳しくは先週のブログを参照のこと)を開始してからは、色々なデータが集まるようになりました。なかなか整理できていないのですが、年に数回、集計したデータを眺めたり比べたりしています。
そこで今回は「介護用語」について、過去に集計したデータを使って考えます。
介護の仕事をするうえで、基本的介護用語の理解はとても重要です。
記録を書いたり、申し送りを理解したり、多職種とのやりとりをしたり、いろんな場面で介護用語の知識が必要になるからです。
そこで、ピーエムシーでは新人育成の際、「介護用語テスト」を実施して、新人の知識を確認します。
そんなことをしているうちに、新人だけでなく、中堅~ベテラン職員の方にも介護用語テストをするようになりました。ここで「中堅職員も、用語の意味を説明できるほどには理解できていない」事に気づきました
。たとえば、認知症の中核症状とBPSDの理解度は、現場の職員さんであっても、このような感じです。

如何でしょうか。私は「こんなに低いのか!」と、ちょっと驚きました。資格の有無にもよりますが、介護福祉士であってもしっかりと介護用語の意味を説明できる人は意外と少ないのです。

介護用語が説明できないと、新人教育も当然上手くいきません。やっぱり時々学びなおしをして、新人を受け入れる側も知識や技術をアップデートしていくことが本当に大事だな、と思います。結構多くの介護職の方々がおそらく学びなおしが出来ていません。

ピーエムシーの介護用語理解度テストは20問の用語の意味を書いてもらうのですが、20問の中身は以下の通りです(基本的なことです)。
①認知症の中核症状、②認知症のBPSD、③発赤、④失禁、⑤起立性低血圧、⑥廃用症候群、⑦挙上、⑧ティッピングレバー、⑨ハンドリム、⑩尿路感染症、⑪脳卒中(脳血管障害)、⑫脳梗塞、⑬見当識障害、⑭心房細動、⑮パーキンソン病、⑯せん妄、⑰離床、⑱ADL、⑲QOL、⑳尖足、

このテストを繰り返し採点していると、とくに「③失禁」の意味の理解について、的外れの回答が多いことに気が付きます。失禁は排泄のコントロールが上手くいかない状態のことを言いますが、これに対して「もらしてしまう」「下着やズボンを汚してしまう」等のちょっとずれている回答がおおいのです。
失禁の本質的な意味が理解出来ていれば、「個々の利用者にあわせた適切な対応をとることで、この方の失禁を減らしたり、なくすことが出来るかもしれない」ということに気づけます。
介護現場の中堅職員の皆様、是非時々介護用語の学び直しをして、正しい知識を新人にお伝えしていただくようお願い致します。


About the author

斎藤 洋

新潟県在住|介護現場の人材育成支援|介護福祉士・社会福祉士・学士(心理学)・修士(社会福祉学)・日本社会事業大学大学院博士課程在学中| https://twitter.com/hiroshithenet

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です