新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

誰かの勇気が現場を変える


先月、あるデイサービスで「事故防止研修」を行いました。

事故防止研修は型どおりにやってもなかなか実践に役立てる内容にならないので、
実施が決まったら出来る限り事前の打ち合わせを行い、
現場の映像や資料を用意してもらっています。
それら実際の資料を全員で確認しながら課題を発見し、
改善策を検討できるよう工夫していきます。

今回も事前に用意してもらった実際の映像(送迎や食事、移動等)を観ながらいろいろと気になったことをグループワークで出してもらいました。

映像は30秒程度の動画をいくつか観ながら課題を探します。
このデイサービスでは、
広いスペースにいくつか死角があること、
ホールからトイレの出入り口が見えにくいこと、
毎日特定の時間に利用者と職員が一斉に忙しくなり、事故が起きやすくなること、
などが課題として見えてきました。

この「事故が起きやすくなる時間帯」をどうするか、
短い時間のなかでなかなか対応策を考えることが難しく、
当面は職員全員で共通認識を持って、
利用者対応に注意しながら行動することを確認しました。

その後、ICFの枠組みを使って高リスク利用者の情報を整理し、
疾患や内服薬、症状やADL等の知識を正しく理解できているかどうかを確認し、
これも受講者間で共有しました。
(分析の枠組みは色々ありますが、厚労省資料でICFが良く出てくるので意識して入れています)

90分の研修は和気あいあいと進み、
今日の研修も無事に終わるかな~という感じで
私が最後の挨拶をしようとしたその時、
一人の職員さん(30代女性)が、
「ちょっといいですか?」と手を挙げました。

「私が思うに、事故が起きやすくなる時間帯がわかったことだけではだめで、この時間どう対策するか、具体的対策を早急にたてないと本当に事故がおこってしまいます!主任!お願いします!」

とても真剣な表情での発言で、
場の雰囲気がぎゅっと締まったのがわかりました。
主任も「次のミーティングでこの続きをやりましょう」と即答してくれました。

いつも思うのですが、
2時間弱の研修でできることは、とても限られています。
すこしでも「気付き」があればよいのですが、
学びを実践に役立てるには
「気づき」⇒「行動の変化」につながっていかなければなりません。

今回は、この職員さんの勇気ある一言が、現場を動かしてくれました。
研修時間内で具体的対応策をたてられなかったじぶんの力のなさを反省しつつ、
この職員さんの勇気ある発言を、とてもうれしく思い出しながら帰ったのでした。


About the author

斎藤 洋

介護職員→介護支援専門員→介護教員→ピーエムシー

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