新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

もっと相談や交渉をしよう


現場の人の話を聞いていて色々と感じる事があります。
一般職のみなさんひとりひとりが様々な悩みを持っていて、辞めたいと感じている人も少なくありません。
それでも多くの人が上司への相談をしていません。
多くの一般職員が何の相談もせず、ある日突然「辞めさせてください」というのが介護現場によくある現象です。
しかしそのうちの半分くらいは、事前の相談があれば、もしかしたら防げたのではないか?と感じています。

上司と相談し、多少の配慮を受けることで仕事が続けられることだってたくさんあります。「しばらくのあいだ夜勤に入れない」とか「デイサービスに移動したい」とか「結婚したいのでもっと収入が必要」とかそういう理由への対応は、場合によっては検討してもらえる可能性があります。

希望が通るかどうかは別としても、みんなもっと上司と話したいことがあるのではないでしょうか。上司は一般職の話を聞く機会を積極的につくり、相談があれば真摯に聞き、共感し、できることできない事をきちんと部下に伝えるべきだと思います。

もちろんそれがわかっている上司は積極的に面談の機会をつくっているでしょうし、「不幸な離職」を減らすことができていると思います。

できていない上司のいる事業所では、「不幸な離職」が多発していると思われます。「真面目な人がばからしくなってやめる」、というあれです。

「辞めたいときは誰に話せばいいの?」ということもわかっていない、教えられていない事業所もすくなくありません。

そういう事業所では、現場の困りごと、やめそうな職員の存在、色々な課題をぼんやりと認識していながら、実際には何の対策もできていないというケースが多いのではないでしょうか。

それからもうひとつ、第三者からみると、同じ法人に所属する方はすべて同じ船に乗っており、みんな当事者意識で業務にあたるべきだと考えていますが、居宅ケアマネや包括職員さんの中には、当事者意識が弱い方が結構多いように感じます。

同じ法人のデイやショート、入所など別セクションに対して課題を感じているものの、改善のための働きかけを行うには至らず、結局課題は何も解決されないという…

上司の役割とセクショナリズム、どっちも組織の問題です。だれかが気づいて「変えていこう」と声を上げることが大事ですが、気づいても変えることが大変難しい問題でもあります。

ピーエムシーの今年度の目標のひとつは、このような「組織の問題」にアプローチし、改善を試み、その効果を測定できるようになることです。

問題解決に必要な理論と現場での実践を結び付け、より良い支援が行えるようなかかわりをつくっていきたいです。

 

 

 

 

 


About the author

斎藤 洋

新潟県在住|介護現場の人材育成支援|介護福祉士・社会福祉士・学士(心理学)・修士(社会福祉学)・日本社会事業大学大学院博士課程在学中| https://twitter.com/hiroshithenet

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