新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

最近よく聞く支援困難ケースの原因と対応について


最近、グループホームや小規模施設の方から

「認知症だけでなく、精神疾患について研修で学びたい」

という問い合わせを多くいただいております。

 

具体的にどんなことで困っているのか聞いてみると、

「ご利用者の訴えがエスカレートして対応しきれない」

「ご利用者が特定の職員にだけひどく冷たい、振り回される」

「機嫌が良かったと思ったら豹変する」

 

などの理由で職員が疲労困憊してしまうとのこと。

ご利用者の様子を見ていると

どうも単なる認知症ではないのではないか?

何か他の精神疾患が原因でこうなってしまっているのではないか?

ということで、

「精神疾患を学ぶ必要があるのでは?」

という流れで研修申し込みに至るようです。

 

こんな時、もしかしたら

「パーソナリティ障害(人格障害)」の可能性があるかもしれません。

相模原の事件でも注目されているパーソナリティ障害ですが、

認知症と違って「冷静に」「毅然とした対応で」「統一した対応」

を心掛ける必要があります。

以下の本、とてもわかりやすくて参考になりました。

他に、「パーソナリティ障害(人格障害)」に関しては、

押川剛さんの本を読むと色々勉強になります。

「『子供を殺してください』という親たち」を読みました。

押川さんは、「トキワ精神保健事務所」を

立ち上げ、

ひきこもりなど

精神疾患が関係していると思われる様々な

問題の解決を支援する活動を行っている方です。

http://www.oshikawatakeshi.com/?page_id=155

 

家庭内の問題として「家族がどう向き合うか」というミクロな視点と

「精神保健福祉のありかたに関する課題」、というマクロな視点、

両方の視点から深刻な家庭の状況が描かれています。

 

押川さんがおっしゃるように、

我が国の精神保健福祉は、多くの課題を抱えており、

精神疾患を抱えた方が、

じゅうぶんな治療をうけられないまま歳をとってしまうケースが

増加しています。

高齢者介護分野で働く我々も、

このあたりをきちんと学んでいく必要がありそうです。

 

 

 

 


About the author

斎藤 洋

新潟県在住|介護現場の人材育成支援|介護福祉士・社会福祉士・学士(心理学)・修士(社会福祉学)・日本社会事業大学大学院博士課程在学中| https://twitter.com/hiroshithenet

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