多床室からユニットケアへ
「特別養護老人ホーム」は、昭和38年の老人福祉法により、居宅において常時の介護を受けることが困難な高齢者の措置施設として「多少室」中心に住宅地から離れた場所に建設されてきました。1990年以降、入居者の尊厳を重視した個別ケアを実現するために、入居者を10人以下の生活単位(ユニット)とした、少人数の家庭的な環境の下で行う「ユニットケア」の考え方による施設整備が進めれてきました。2006年の介護保険制度の改正に伴って29名以下で各市町村が指定する地域密着型特養が整備されてきました。このように特別養護老ホームの整備の歴史からみると、施設も「収容の場」から「生活の場」へ、施設で生活しながらも社会参加ができる環境へと変化してきています。
地域密着型特養と小規模多機能型居宅介護事業を併設運営
現在は、特別養護老人ホームが本来のセーフネットとしての役割だけでなく、地域包括ケアシステムの構築を推進するという観点から「地域福祉の拠点」としての役割の拡大も担っていくことが求められています。 当法人は公設民営型の社会福祉法人として平成5年から歩んできました。二つの広域型の特別養護老人ホーム(公設民営)を主軸に運営してきましたが、平成17年と20年に認知症高齢者のグループホームを整備し、平成23年に燕市指定の地域密着型特養と小規模多機能型居宅介護事業を併設する「高齢者総合生活支援施設はな広場」を整備しました。
自ら入りたくなる特養
地域密着型の特養と小規模多機能型事業所を一体的に運営する一番のメリットは、「住み慣れた地域で最期まで」を約束できる介護保険サービスであり、地域包括ケアの主軸と言えるのではないでしょうか。しかし、この2つを一つ屋根の下で運営する法人はまだ少なく、特養というと「高齢者の入居施設イコール入りたくない施設」というイメージが定着しているのが現状であり、建設の際にも「暮らす人」「働く人」「集う人」の事を考えた環境整備が行われていないと思います。はな広場は「高齢者の馴染みの暮らしの支援」にこだわりを持って運営しています。
はな広場の地域交流・地域貢献
施設内のロビーには足湯を設置し、地域の方々が自由に気軽に足湯を楽しんで頂けます。そして月に2回自主的な介護予防につなげる「体操ひろば」を開催しています。広い雑木林風の庭で、夏休みには地域の子供たちのラジオ体操の場として開放し、入居者の方も一緒に早起きして参加されます。
今年で4回目を迎える夏の「ひろば祭り」は、地域の子供会の父兄の皆さんと一緒に開催し、地域の祭りとして定着してきました。はな広場は自分の家族が、自分が利用しても良いと思える環境づくりにこだわり続けていきます。
プロフィール|Profile
社会福祉士 川村小津江
社会福祉法人桜井の里福祉会
高齢者総合生活支援施設 はな広場施設長。(社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員・法人評議員)
〒959-0111 燕市横田9948番地1
電話 0256-47-1222
社会福祉法人桜井の里福祉会ホームページ
http://www.sakurai-fukushi.or.jp/hanahiroba-gaiyou.html