新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

外出


施設内にずっといたらさすがに疲れる。
だから外出して気分転換する。
やりたいこともする。

昔、デイサービスからの外出が今ほど
厳しくなかった頃、デイサービスの中には
午前中はお風呂メイン、昼からは外出。
というやり方が意外に多くありました。

もちろんそのデイは利用者さんも比較的多く、
みなさん楽しそう。
これで本当に機能訓練となり認知症予防などに
繋がれば素晴らしいのだろう、、、
と思いみてました。

ところが外出そのものに対して見直しや改定あり、
頻繁に外出する事が難しくなったら
その途端にいくつかのデイは人気に陰りが
見えて大規模→通常規模→小規模(地域密着)
と縮小していました。

なんでだろうか、、、と当時は自身のデイを
やるのに必死で見ていませんでしたが、
しばらくしてから、その原因がよく分かりました。

昼から外出を毎日行う。確かに利用者さんは喜ぶ。
だからスタッフらもやり方に間違いはないと
思い当たり前のようになる。

「外出さえすれば何とか楽しんで帰る」

きっとここに行き着いてしまったんだろう
なあと。利用者さんが施設内でサワサワと
落ち着かなくなってきたら、

「今日は昼から○○に行くから待っててね」

この声かけが当たり前になっているだろう。
事実、そこに働いていたスタッフさんに
聞いてみたらそうでした。

本来の施設に来る目的を達成するための外出
ではなく、施設内でスタッフらが
ケアをする事が出来なかったり、力がない、
方法が分からない、話しすらマトモに聞けない、
だから「外出」という安易な手法に頼りすぎて、
利用者さんをみて、話して、「考える事」を
放棄した結果なんだと思います。

今、この「外出」をキチンと機能訓練やリハビリに
なるように制度に踏まえて本人を思い、
考えてサービスとして、ケアとして提供する
事業所も増えました。

しかし中には未だに、

「寿司食べに行けば喜ぶよね」
「買い物に行けばいいんだよね」

と、その方の本来の目的には関係なく、
思考から逃げるための外出をする施設が
多いと思います。
その結果、予想されるのは一部のキチンと
している事業所の取り組みすら認めて
もらえなくなり、一律、原則外出はダメ。
となるんだと。

だから今、現場は考えていかないといけないと
思います。

自分達だけ出来たら良い、自分達の地域だけ
出来たら良い、後はやらない事業所が悪い、
ではなくて、

全体の質の向上を目指すために横につながり、
色々な垣根を超えて、ベーシックな考え方で
出来るその構成を伝えていくこと。

理想的なイメージではあるけれども、
本質はそこにあるのだと思います。

今、自分に出来る事。
皆が思えば、自分達に出来る事。

1人1人がそんな風に思えたら、
本当に変わるのだろうなあと。

放浪後の一言:外出は楽だが後が怖いよね


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