新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

人が足りないから


施設で現場を見ていると決まった時間以外は
ぼーっとしている利用者さんがいるのをよく
見かける。

スタッフさんらに聞くと

「朝はお風呂で人がいないんです」
「テレビを見たり塗り絵をするくらいが限界」

と、やたらと人不足を強調されます。

で、その次に出てくるのは批判。

「上が現場を知らない」
「人を補充しないから出来ないだけ」

と言われます。

利用者さんがぼーっとしてる時間が長いのは
確かに人が少ないから、色々する事が出来ない
と言われる場面もあるでしょうけど、それは
あくまで「スタッフが提供する」ということ。

つまり、「やってあげる、してあげる」です。

それではいつまでもマンパワーに頼るしかない
全くの考えないやり方です。
仮に人を補充しても自分たちの今までの業務を
シェアする、「ワークシェア」になるケースが
多かったりします。

だから考えてほしいのです。

自ら動いてもらうにはどうしたらよいのか?

勝手に「うちは重度の方が多いから」とかで
全体をくくるように言って考える事から逃げ
ないでほしいのです。

セミナーではよく話しますが、

「スタッフが動けるのは業務に予定があるから」
だということです。

出勤してきたら、入浴担当だから準備、段取り
をして、、、という風に予定があるのです。

そういう視点で見たら、ぼーっと座っている
利用者さんらには自分の頭の中に次の予定が
ない状態と言えます。

10時から○○をする。11時から○○に行く。

と言う感じで朝から予定を一緒に選んで決め
たりしていけば、覚えている事が出来たら
キチンと自ら動かれます。
また覚えてない場合でも、声をかけてみたら
思い出したり、覚えてなくともまた普通に
「じゃあ参加するかな」と返事を頂けたり。

スタッフ側が、何故?利用者さんがぼーっと
しているのか?に疑問を持たない限り環境は
変わりません。まして「人がいないから」と
安易な他人ごと、会社のせい、のような事を
言ってても何にも変わりません。

だから、今の業務を見直してみよう!
くらいは考えてほしいのです。

入浴担当は5人だけど○○して△△したら、
4人で出来るかも。

ボランティアさんが来てる時ならスタッフも
余裕が出るから○○さんらと△△をしてみようかな。

とか、人不足もある程度、考えて行う事で解決
する事もあります。

現場の実情として、早出日勤のように苦しい
勤務を組んで頑張ってしている事業所もあります。
本当に「人が足りない」ところはあります。
しかし、人が足りない、を連呼しても誰も来ませんし、
そんな不満ばかりが表面化する
事業所で働いてみようなんて思う方はまず
いないのです。

人が足りないなら、なぜ人が足りないのか?
自分たちの働く環境は魅力的か?
提供するサービスがキチンと出来ているか?
明るく活気ある雰囲気づくりが出来ているか?
そんな取り組みやケアへのこだわりを外部に
発信しているか?

これくらいは振り返って見直して考えていか
ないと現状は何にも変わりません。

人が満たされなくても、やり方、考え方はあり
まずそれらを実践する。そしてしっかり発信する。
良い職場には人は少なくとも必ず来ますが、
そのためには、良い環境を自らが作り、
それを発信するしかないのです。

そこを利用する利用者さんには落ち度はないのですから。

放浪後の一言:結局はどうしたいのやら・・・


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