新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

慣習


「うちの施設は前からこうしています!」

よく現場に入ると真っ先に言い返される
セリフです。

「このゲームをしたら喜んでくれますから」
「この体操はみんな楽しみにしていますから」

たたみ込むようにまた言われるのですが、、

毎回思います。

そもそも前から…と言うその方法は誰がどう
いう目的や効果を狙って考えてきたのか?

ゲームが楽しくないとは言わないけれど、
それが一番って事、ないよね、きっと。

今までのやり方をたどって行くと、

「前の主任が決めてからこうなりました」
「昔の施設長が決めたやり方なんです」

と、今はいない方がよほど影響力があるなあと
勘違いしてしまうような言い方です。

このように「昔の亡霊」に支配されている施設は
意外に多いのです。

その割には、

「自分達が目指すケアをやりたい」
「研修に行き良いものを取り込みたい」

と、レポートにはキチンと書いたり。

じゃあ、その新しいやり方を導入していき
ましょう!と投げかけると、

「今の職員体制では難しいですね」 「もう少し落ち着いたら取り組みましょう」

という感じで、なかなか新しい事には手を
つけようとしないものです。

結局、頭に描いているのは

「給与が変わんないんだから今までどおりで」
「余計な仕事が増えるだけやし面倒だし」
「今のやり方のどこが悪いの?」

という風に変えたくないとは言わずに不平不満
を全面に出してくる風潮があります。

悲しいのは、このやりとりの中に一切主役と
なる「利用者さん」が出てこない事です。

私は聞いている最後にはいつもお伝えします。

自分達は何のためにこの仕事をされてますか?
前のやり方が間違っているとは言わないけれど
痴呆という言葉が認知症という呼び方に
変わったように、介護も今までの考え方などが
実は違っていたと気づいたら変化させて
いくべきだと思います。
スタッフさんらが変わらないと利用者さんは
自らの環境を変える事はなかなか難しいの
です。だからスタッフの皆さんに期待する
のです。研修などを通して色々な情報を得て
今の自分達のやり方と照らし合わせながら
より良いケアを利用者さんに提供出来るように
しっかりと考えて明るい元気な現場を築いて
下さい。

このようなお話をヒアリングなどでもして
います。懸命に努力をしているのが分かるから
こそ、それが本当に意味があるようにお互いに
良かったと思えるようにと願ってます。

まだまだ介護は考えていかなきゃならないけど
やればやるほど、ワクワクする現場に変わる
事が出来ます。
そんな希望が生まれる現場が増えていくように
と毎日、現場の方々と一緒に考えていきたい、
そう思います。

お互いに良い環境で過ごせる事が出来るように

放浪後の一言:今も昔も要は根拠があるかないか

 


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