新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017


デイになかなか来ない利用者さん。
時間をかけたら来てくれる。
デイでは楽しそうに色々してくれていた。

ある日、なかなか迎えに行っても来てくれ
ない。

「まあ座って」

と、言われて座る。

お茶を出してくれてしばらくの雑談の後に
表情がスッと変わった。

「私はねデイサービスに行くのは嫌じゃない
し、行けば楽しいのよ」

「でもね、デイサービスが楽しいと思えば
 思うほど自宅に帰ってきたらね…」

言葉がいったん止まる。

「夕日が沈み夜が来るとね、寂しさが止まら
ないのよね」

「このまま目を閉じたら明日の朝に目が開く
のかなあと、、ただね目が開かないのがイヤ
じゃないの、目が開かない朝はお父さんの
 元に行けると思うから、ホホホ…」

昔にデイサービスで管理者をしていた時の話。

この時私は本当に申し訳ない気持ちで一杯で
利用者さんには謝るしか出来ませんでした。
そして大泣きしたのを恥ずかしながら思い出し
ました。利用者さんはそんな私に、

「あなたが悪くないのよ、ごめんなさいね
今から洗濯物干してデイサービスに行くわ」

私は日中に楽しい、きてよかった、と思って
もらえたらまた明日も頑張ろう!って気持ちに
なるだろう。こんな気持ちで良かれと思い、
自分ではよく頑張っているとか思ったり

しかしこの日を境にその考え方、人の気持ちに
対して本当に考えるようになれたと思います。

夜になり1人になり過ごす事がそんなに寂しく
なるものと考える事まで出来なかった自分。

そんな自分に悔いたのをふと思い出しました。

人は皆、それぞれに何かを抱えて生きている
のだと思います。それは必ずしも分かる事ば
かりではなくて、ひっそりと隠れた気持ちが
あるのだろう。私はそんなひっそりと隠れた
気持ちに寄り添える人でありたいと思います。

表裏をキチンと見極めが出来て必要な気遣いが
さりげなく出来るように。

あの時に聞いた、夜を迎える寂しさと不安を
抱える利用者さんの心の声を大切にしたい

放浪後の一言:夜は誰だって不安なような気がします


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