新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

おやつ


施設では必ずと言って良いほど
3時におやつが出てきます。

だからこんな事が起こります。

「なんか食べたいんだけど…」
「3時まで待ってくださいね、おやつ」

しばらくして…

「お腹がすいたよ、、何か食べたいんだけど」
「さっきも言いましたね、3時まで待って
 くださいね、おやつは」

と繰り返されるよく見られる光景。

おかしいと気づいている職員さんは何人いる
のだろうかと思います。

そもそもだいたい何で3時でなきゃダメなの?

3時のおやつは保育園までなんですよ。
それは色々な躾の一環だと思います。

だから小学生になると3時のおやつは出なく
なるわけです。それはそのようなルールが
守れる年齢だと原則認められたからだと思い
ます。

だから一定になるといつでも食べて良いわけ
ですから(^^)

ところが施設に入ると3時に戻ります。

参考に病院に入院したらあまりおやつは
3時に出てこないはずです、、、よね。

そして、おやつの時間の介助に人が取られて
大変だと言うので、3時のおやつの時間を
無くすと職員さんからこんな声があがって
きます。

「せっかくおやつ楽しみにしてるのに無くす
なんてひどくないですか?」と。

でもね。

別におやつを食べさせたらダメとか言ってない
んですよ。3時の固定はやめたら?と。

利用者さんの視点から言えば、

職員は、羊羹と知っていてミキサーにかける。
ところが利用者さんは羊羹をミキサーに
かけている過程は知らないから、ドロドロの
物体をスタートとして見ているんです。

その茶色の物体を最初に見たら見た目は
カレー。だからカレーだと思ってしまいます。
その経過を認知症ケアから考えたら分かるはず
なのに、職員さんは言うのです。

「○○さん、甘い羊羹ですよ!どうぞ」

でもね、利用者さんは見た目からのヒントで
信じてるのですよ、それはカレーだと。

だから、口を噤んで抵抗したり、
(お腹いっぱいだとしたら)食べたくないと
言ったり、とにかく嫌だと言うのです。

それでもあれこれ食い下がって言われて、
食事介助の方の場合は口になすりつけられる。

その時の利用者さんの気持ちはどんなだろう。
イヤなものを押し込まれる気持ち。
とても、楽しみなおやつではないだろう。

そしてカレーと思い諦めて口を開けたら、
想像した味じゃない甘いものが入ってくる
のだから、たまらないんです。

ようするに、、
見た目から肉まんだと思い込んで食べたら、
あんまんだった、みたいなもの。

思わず吐き出す気持ちも分かるはず。

皆がそうとは言わないけれど、利用者さんに
いわれたこの話は忘れる事はないのです。

そして、
おやつが楽しみだと言うのなら、なるべく
食べたいもの、近いものをあげるべきだと
思います。

1時に言われたら、「仕方ないなあ、じゃあ
これでも食べる?」とチョコを1つあげて。
2時半にまた言われたら「仕方ないなあ、
じゃあこれ食べるかな?」とまたチョコを1つ
あげて、4時に言われたら「そうかあじゃあ
これ食べる?」とまたチョコを1つあげる。

3時のおやつで3つあげるために、3時まで
我慢させて、食べたからと、もうないからと
突き放して3時以降、お互いにストレスを
ためるより、

3つのおやつを何回かに分けて、なるべく
訴えがある時に小出しにあげる方がお互いに
ストレスが少ないのではと思います。

介護はこうやって1つ1つの普段の事に、
なんで?と考えて、なんのために?と考える
事が大切だと思います。

本当に3時におやつが良いのならば、
子どもも大人も3時におやつを食べるはず。
職員さん自ら食べてるはずなんです。

当たり前のようにしている事もこうして考えて
見ていけば、その矛盾に気づく事が出来るよう
になる可能性になら、その視点に希望が生ま
れるのだと思えます。

と、

明日のセミナーではこんな視点と考え方と
現場の現実の話しをしたいと思います<(_ _)>

放浪後の一言:夜食もそうだよね(笑)


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