どうも福祉用具オタク、バガボンド・テルこと徳橋です。
その2で完結するつもりが・・・、その3です。
今回も前回、前々回に続き、私のことについて書き記します。
先日、ある先生のセミナーで「尊厳」とは「自身に価値を見いだせるか」「自信が生きていることを肯定できるか」ということである。という話を聞き、ハッとしました。「トイレの自立が人の尊厳を守る最後の砦だ」と、偉そうに言っていた自分が何も分かっていなかったことに気が付くことができたのです。
自分で出来ることを増やす。(叉は減らさない)とういことは、「生きていて良いんだ」「そこの場所に居て良いんだ」と、感じてもらう。「尊厳」とは「自立(自律)支援」とは、そういうことなのだ。と、思います。
住宅改修や福祉用具の活用、住環境整備実施に対して「出来なくなったことを出来るようにする」というイメージを持つ方が多いような気がします。が、実際には、手すりを取り付けてみたところで、杖を使用したところで、歩けなくなった方が歩けるようになった。という話を聞いたことがありません。
手すりを取り付けてはみたモノノ、手すりを使うことがなかった。という話はよく聞きますが・・・。(これは計画・立案の時点で問題があるような気もしますが・・・。)
歩けなくなったら、必要なのは車椅子と車椅子を使い易くする環境作りです。
もちろん、住環境整備実施の後に適切な介護サービス利用によって「歩けるようになった」方も大勢おられると思います。
住環境整備は「出来なくなったことを出来るようにする」というより、「出来ていることを維持する・出来なくならないようにする」というように捉えていただいた方が良いような気がします。
住環境整備実施の重要な要素は「より便利に、より快適」にです。(金沢先生スミマセン、頂きました。)
「より便利に、より快適に」と話すと、これまで多くの方々から「楽にできるようになったら、訓練にならない。運動にならない。」と、よく言われました。「ウチはスパルタだから、頑張ってもらう。」と、住環境整備をしなかったお宅の多くは、本人の状態悪化により、「頑張ってもらう」と言っていた介護者家族が介護を頑張ることになったのは言うまでもありません。
また、リハビリ(歩行訓練の意味合いで使用されていると思われますと称して、転倒の危険がある方に一人で階段を移動をさせる。夜間にもトイレまでの長い距離も一人で歩かせる。というお宅も少なくありませんでした。
「転倒などの大きな危険が伴うリハビリ(歩行訓練の意味合いで使用されていると思われます)なんて無い」と説明してもなかなか理解していただけませんでした。残念です。
転倒リスクが高い。などを理由に医師から「歩かせないように」と、言われている方の中には医師からの指示を聞かずに、叉は理解できずに歩いてしまう方もいて目が離せなくなってしまいます。
危険を伴う行動は、制止しなければなりません。行動させないために見守りなどの対策をとる必要もあります。手間がかかるのです。
住環境整備で少しでも安全性を高めることで、制しなくても見守りしなくても良い。ようになる可能性だってあるのです。行動が制止されなければ自由に動ける。動くことで更に動けるようになるのです。
もっと長くなりそうなので、今回はこれまでに致します。