新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

介護保険サービス利用負担割合が2割となった方へ  その4


どうも!福祉用具オタク バガボンド・テルこと徳橋でございます。

さて、今度こそお待ちかね住環境整備実施のメリット、費用面でのメリットです。

以下に記す内容は、あくまで「概ねの内容」です。介護サービス利用料金は、利用される方の介護度や施設形態、人員等、条件によって異なります。また、以下に記した内容には「食費や滞在費等の実費」は含みません。介護保険制度では、介護報酬を事細かく項目を分けており、皆さんには「より分かりにくく」なっています。ですので、今回は「より分かりやすく」を最重要として、大まかな内容としておりますことをお含みおきください。

 

要支援1」の認定を受け「1単位=10円」の地域で介護サービス利用した場合

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訪問介護(予防):週1回の利用で、1ヶ月1,168単位ですので、1割負担の方であれば1,168円で、2割負担となると2,336円です。週2回の利用では、1ヶ月で2,335単位ですので、1割負担の方は2,335円、2割負担の方は4,670円です。

 

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デイサービス(予防通所介護):週1回程度の利用で1ヶ月1,647単位ですので、1割負担の方は1,647円、2割負担の方は3,294円です。

 

 

訪問入浴(予防):1回あたり834単位ですので、週1回程度利用すると、1ヶ月に5回利用したとして、4,170単位となり、1割負担の方は4,170円、2割負担の方は8,340円です。

 

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ショートステイ(予防短期入所):1日あたり460単位ですので、1泊2日で920単位、2泊3日では1,380単位ですので、1割負担の方は1泊2日で920円、2泊3日で1,380円で、2割負担の方は1泊2日で1,840円、2泊3日では2,760円です。

 

 

 

 

 

要介護2」の認定を受け「1単位=10円」の地域で介護サービス利用した場合

obaasan_bed訪問介護:身体介護の「1(30分未満(おむつ交換等))」で、1回あたり245単位、週2回だと月10回として2450単位、週3回では月に15回として3,675単位となり、1割負担の方は、週2回で2,450円、週3回で3,675円、2割負担の方は、週2回で4,900円、週3回で7,350円です。

また、食事や入浴介助となると、身体介護の「2(1時間未満)」となり、1回あたり388単位で、週2回だと月10回として3880単位、週3回では月に15回として5,820単位となり、1割負担の方は、週2回で3,880円、週3回で5,820円、2割負担の方は、週2回で7,760円、週3回で11,640円です。

 

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デイサービス(通所介護):1回あたり775単位ですので、週2回だと月10回として7,750単位、週3回では月に15回として11,625単位となり、1割負担の方は、週2回で7,750円、週3回で11,640円、2割負担の方は、週2回で15,500円、週3回で23,280円です。

訪問入浴:1回あたり1,234単位ですので、週1回程度利用すると、1ヶ月に5回利用したとして、6,170単位となり、1割負担の方は6,170円、2割負担の方は12,340円です。週2回利用であれば、回数2倍となるので、利用料金も2倍の12,340円(1割負担)、24,680円(2割負担)です。

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ショートステイ(短期入所):1日あたり707単位ですので、1泊2日で1,414単位、2泊3日では2,121単位ですので、1割負担の方は1泊2日で1,414円、2泊3日で2,121円で、2割負担の方は1泊2日で2,828円、2泊3日では4,242円です。

 

 

1回あたりの介護サービス利用は、さほど高額ではありませんが、週2回、週3回。1回2回と利用する回数が多くなるにつれ「塵も積もれば・・・」で、介護サービス利用料金が多くなります。

1回いくらの」介護サービスに比べ「1ヶ月いくら」の介護用品のレンタル(福祉用具貸与)や購入する機会が多くない福祉用具の購入、住宅改修などは「比較的安い」となるのです。更に1割負担ではなく2割負担となった時には、その差が非常に大きくなるのです。

そしてなにより、適切な住環境整備実施により、自立度が上がり、介護度が下がれば「介護サービス利用回数を減らす」ことだってできるのです。

 

以下に住環境整備についてかかる費用を述べます。

 

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住環境整備の一つ福祉用具貸与は、特殊寝台(介護用ベッド)が1ヶ月で1,500単位くらい、車椅子が1ヶ月で600単位くらい、歩行器が1ヶ月で350単位くらいです。1割負担の方は、特殊寝台(介護用ベッド)が月額1,500円くらい、車椅子が月額600円くらい、歩行器が月額350円くらいです。2割負担の方は、特殊寝台(介護用ベッド)が月額3,000円くらい、車椅子が月額1,200円くらい、歩行器が月額700円くらいです。「1回〇単位」の介護サービスに比べ、2割負担となっても上がり幅は少ないのです。また、「1ヶ月いくら」なので、使えば使うほど1回あたりの使用料金は少なくなります。もちろん、使えば使うほど介護予防(3次予防)になります。

 

 

main住環境整備の二つ目は「福祉用具購入」です。入浴用椅子や入浴グリップ、ポータブルトイレ等、直接肌に触れ貸与(レンタル)に適さない用具を1割負担、叉は2割負担で「購入」できます。年間10万円の上限が設けられています。入浴用椅子で2万円くらい、ポータブルトイレは樹脂製で2万円、木製で5万円、水洗機能やウォシュレット、バイオトイレ等々、高機能型では10万円を超えるものもあります。(10万円を超えた分は全額自己負担です。)

2万円の入浴用椅子と5万円の木製ポータブルトイレの合計7万円を購入すると、1割負担の人で7,000円、2割負担の方は14,000円の自己負担となります。支払い方法については、償還払い方式(一旦は全額支払い申請により返還される)と受領委任方式(自己負担分のみを支払う)があり、各市区町村によって異なります。1年間の期間は4月から翌年の3月までですので、今年度は〇〇を購入し、来年度は〇〇を購入する。などと計画的に福祉用具を購入することも考えられます。

 

flr住環境整備の最後の一つは「住宅改修」です。住環境整備実施で最も簡単でお金もかからないのは「整理・整頓」です。が、住宅改修から想像するのは、手すり設置や段差解消等々「まとまったお金が必要だ。」ということでしょうか。確かに住宅改修には「まとまったお金」が必要です。これを初期費用(イニシャルコスト)と、お考え下さい。初期費用(イニシャルコスト)に対し、介護サービス利用費を運営費用(ランニングコスト)と、考えます。手すりの設置・段差の解消・引き戸等への扉の取替え等々、介護保険で定められた内容の改修工事を行なった際には、被介護者1人につき20万円までの工事に対して9割、ないしは8割の助成金が支払われます。支払い方法については、償還払い方式(一旦は全額支払い申請により返還される)と受領委任方式(自己負担分のみを支払う)があり、各市区町村によって異なります。更に介護度が著しく重くなった際には、改めてこちらの制度が使えるようになるのです。

 

「要支援1」で住宅改修を行ない助成を受けた方が、その後に「要介護3」となって再度、住宅改修を行なった時は改めて助成を受けることが出来るのです。皆さんよく考えてください。同じ介護保険の掛金を取られるのです。そんな中で、住宅改修を2回行ない、それぞれで助成金を受け取る人と、全く受け取らない人がいる。いくつかの福祉用具を購入し助成金を受け取る人と全く受け取らない人がいる。アナタはどちらを選びますか?

 

住環境整備実施の有効性を考えたときに、これまで述べたこと以外でも有効だと思えることがあるのです。それは「費用対効果」を考えた時です。UD(ユニバーサルデザイン)の考えによると「何らかの障がいを持った方が使いやすいモノは、障がいを持たない者も使いやすい」のだそうです。人は加齢や怪我、病気等により、何らかの障がいを持ってしまう可能性が高いようです。皆さんが暮らしているお宅は、何らかの障がいを持ったとしても住み難くならないように考えて造りましたか?建築士さんや大工さんと、そのような相談をしていましたか?大抵は「若く元気な時に建てたので、歳をとったときのことは考えていない」という方が、ほぼ全員ではないかと思います。ですので、何れはアナタが「ソレ」を必要とする日がくるのです。その日(Xディ)は、そう遠くはないかもしれません。

 

一時だけでも「何処か」へ行ってくれないと困る。ということも少なくないので、デイサービスもショートステイも必要です。が、デイサービスやショートステイ、施設入所にいくらお金をつぎ込んでも、自宅が住み易くなることはありません。介護しやすくなることも、被介護者が少しでも出来ることを維持しやすくも、意欲が出て元気になることもないのです。もちろん、病院や施設、通所や訪問サービスなどで、本人の身体の動きがよくなり、介護しやすくなる。自身でできることを増やす。などのことが出来るかもしれません。しかし、「本人の頑張り」だけに任せて良いものなのでしょうか?せっかくリハビリで良くなっても「自宅では安全に動けない。」ようでは、せっかく良くなっても、徐々に悪くなっていくのではないでしょうか?

 

住環境整備では「自分でできる」「「自分でできる割合を少しでも多くする」を目標に掲げ「より便利に・より快適に」そして「より安全に」自宅で暮らせるよう本人や家族を中心にリハビリ関係者や介護支援専門員、介護関係者、建築士や大工がチームを組んで取り組まなければならないと思います。

 

蛇足が長くなってしまいましたが、今現在2割負担となっている方は、当然、熟考頂きたい内容です。そして、今回は1割負担となった方も数年後の改定で、今より多くの方が2割負担となることは、昨今の状況により誰の目から見ても明らかなので、「今回、2割負担にならず、1割負担で良かった。」と、安心しているだけではなく「今回1割負担となったのは、次回までに備えておきなさい。」と言われている。と、お考えいただき、住環境整備実施について熟考頂きますようお願いたします。


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