「責任と権限」簡単なようで、実は一番難しいのがこの要素だ。チームの意思決定において、そこにいる誰もが決定権を持たない、なんていう場面がよくある。そういったことが続けば、誰も改善しようとはしなくなる。
とはいえ、決定権者が、その権限を委譲しようとするのは、実は勇気がいるものだ。相手に対しての不信や、自己保身などの心理が働いたりしてしまったりするものである。
私自身、この責任と権限に対して苦しい思いをした。管理職で一定のポストにありながら、相手も自分も想定しているような権限を持ち合わせていなかったりすると、自分が非常に無力なものに思えてくるのである。
多少の演出も含めて、「いま、ここの○○における権限は、この人物に委ねられている」といった周知は、必ず必要である。責任と権限、予算を持つことで、当人は自覚を持ち、周辺は、それを認証する。トップは、組織安定化のためにその構図を作らなければならない。現場から遠い状況にあるトップほど、より適正にその委譲を行う必要がある。
責任と権限のバトンが回ってきたときには、気後れすることなかれ。皆初めは、同じ気持ちなのだから。実力がちょっと足りないくらいの時に預かったバトンは、ぞんざいに扱うことなく大切に持って走ることだろう。
そういった気持ちが、自らを奮い立たせ成長を促進し、その思いが周りに良き波及効果をもたらす。