新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

Vol.10-④ 組織運営のキモ 「運営補完者の育成」


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介護事業運営において、トップの次の人材育成は急務でありながら、困難なものである。当然、人間は一人の行動に限界があり、いくつかの力が組み合わさって大きな仕事を成し遂げることができるものである。

往々にしてトップは孤独になりがちであり、いざ組織を動かそうとしても、強権を発動させたり少し無理をしなければならなかったりし、その摩擦で多くの人が傷つくことになる。

しかし、運営においての補完者がいると、その様相は一変する。補完者は時にトップを支持し、時に苦言を呈し、時にトップに成り代わり、現場のマネジメントをすることで、組織の不安定感はなくなっていく。

しかし中小の介護事業者は、トップ(創業者や最終決定権者)が、一介護職員にトップダウンの指示をするような光景が、垣間見られる。これでは現場は気が休まらないし、なにか問題が起きたときに委縮してしまう。

補完者がいることで、一次報告をそういったフィルターに通すことができるようになれば、きちんとした報告がなされるようになるし、トップも伝えたいことを、良いオブラートに包んで届けることができるようになる。

そのため、上司とその補完者は、思いのベクトルを合わせることが最も重要となる。いつも思いを共有し、時に悩み相談を双方向に行い、お互いの「組織があるべき姿」の角度を同じにしていく努力を怠ってはならない。

介護事業運営においては、男女の補完ペア「上司:男性、部下:女性、またはその逆」が形成できると、非常に事業内容と親和性が高い。異性の視点の違いがわかり、広角的に事に当たることができる。介護業界における女性の能力は高い。日本社会は女性管理職が比率的に少ないが、この業界では女性が能力や魅力を発揮しやすく、かつ適正な評価を受けることができる。優秀な管理職になれるのだ。

ワークライフバランス等配慮せねばならない課題は多いが、この補完ペアで体制を作ると、基本的な軸がぶれずに済む。各セクションにこういった軸が何本か形成されると、組織の大きな基盤となる。そしてそのそれぞれが、建設的に進化を遂げ始めていく。

身の回りに思い当たる良い人材がいないと嘆くなかれ。その視線は写し鏡のように、自身への信頼を測るものであったりするのだから。

トップと補完者の信頼関係の構築こそが、安定した組織基盤のカギとなり、その懸命さや真摯さが、組織委全体に波及していく。


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