新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

Vol.10-③ 組織運営のキモ ・委員会・分科会・QCサークルなどの「組織の意思決定の土台作り」


組織には、いろんな意思決定がある。トップ自らが下さなければならない決断と、現場で決めなければならない選択など、大小様々であり、そのスピードも多様である。

中小企業になると、そのすべてをトップが行っている(行おうとしている)向きがあるが、それではうまくはいかない。「意思決定」こそが、人材を育成する最大のチャンスであり、責任と権限をうまく委譲し、組織の層をより厚くするチャンスなのである。

介護事業における意思決定には、「ルーティンワークの改善」や、「専門分野の深耕」、「CS(顧客満足)の追求や、ES(従業員満足)の向上」などがあげられる。

それぞれのテーマに応じた、「当事者感」をもつ者が中心となり、最終決定権者の信任を受けて意思決定されるべきである。そのためのステージに、委員会や分科会、QCサークル(小集団活動)などのステージを用い、意思決定を進めていく。

当社が行って奏効した事例を一つあげると、「業務改善コンペ」と称して各事業所単位で、管理者やリーダーが中心となってあらゆるジャンルで「業務改善となるもの」を掲げ、2か月間の期間を与え、取組前・取組後の成果報告を、10分間のプレゼンテーションで発表する、といったものだ。

ここでは、あえて事業所間でコンペの形式をとり、他事業所を意識させて取り組むことがポイントとなる。そしてその内容についても、顧客満足について取り組むか、書式の見直しをするか、オペレーションの組み換えをするか、など「意思決定」の場面が多く内在している。ここで結果を出すには、円滑なコミュニケーションと、皆をその気にさせるチーム間での合意形成が必要なため、業務改善コンペはトップにとっては、即時でかつ承認しやすく、チームに自己肯定感を持たせることができる有効なツールとなりうる。

コンペには順位をあえてつけることで、一喜一憂はあるが、かなりのやる気が醸成される。そして小さい単位でも成功体験を繰り返すことで、よき組織の意思決定の土台ができてくる。

 


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