どの組織においてもそうだが、営業や立ち上げに関して必要な「先行管理」は、介護施設運営においても大事な要素である。しかしよくよく見聞きしていると、目先の対応に追われ、先々の目標などない、あっても全くぶれている、なんていう状況が散見される。
法人の多くは、「法人として」の目標や方針を持ち、それを発信するが、そのバトンは一体どこで落とされてしまうのか、法人が大きいほど、理念が崇高なほど、最前線である現場はそういった方針をうまくキャッチできずにいる。
それは、「発信する」側、「キャッチする」側、双方の歩み寄りも必要であるが、それを行うには、「When」、時間や期間に区切り、目標を小分類することで、より現場には最適に、法人には理想通りに、ことが進むと思う。
では具体的にどうしたらよいか。
①年間および年度間での「大きな」目標を定める(トップ層)
②それを受けて(重点施策として)、より実践的な言葉や数値に変換する(セカンド層)
③②の変換された課題を「いつ・だれが・どのように」するかを明文化する(サード・フォース層)
上記のような「思いのバトン」をつなぐことで、太い幹線道路が作られる。そして誰もが共有された目標の中で、日々の行動に規範が生まれ、「何をやるべきか」を考え行動することができるのだ。
この計画は、実行の半年ほど前から計画の一端を思考し始めることをお勧めする。漠然としていても、半年の時間があれば、どこか頭の片隅に残り、「やるべきこと」として、鳥が卵を雛に孵すかのように、温めていけるのである。
年間に定めた目標は、PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)に乗せて、常に2~3か月先を意識しながら回していくと、少しでも効果を感じやすい。
お互い、短期的な効果が目に見えたほうが士気は上がる。そういった効果を活かしながら、トップはそれを評価しながら、先行して先行して、ことを進めていくことで、皆が良き船頭となり得るのである。