カメラを持ったこの紳士と、恐る恐る話をしてみると、この業界に特化したフリペを作っている編集者の方だということがわかった。
「いや〜初めてお話ししますが、初めてな気がしません」
随分と気さくな方だ。
私はこの業界に精通している彼の胸を借りるかのように、今までの疑問や経験したことを夢中になって話した。全て話を受け止めてもらい、私は胸のつかえが取れるかのような気持ちになった。
館内の写真をたくさん撮ってもらい、よく日にはホームページに掲載してもらった。とてもありがたかった。
ここまでずっと、孤軍奮闘しているような、眉間にシワが寄っていたかのような心境だった。必死になって走ったことが、少しずつ形となって現れ始めている。やればやるほど、というのはこういうことか。私はだんだんと、この業界で仕事をしていくことを実感し始めていた。
しかしその考えは甘く、まだ入り口にも入っていないことに、のちに気付くこととなる・・・。
続く