毎日、長岡から新潟市に通い、ただがむしゃらに館内の掃除、食事配膳、シーツ交換などを続けた。ただただ地味な仕事。しかしこれが、「生活を支援」し、それをサービスとして提供することの根源だと体感できたことは大きかった。「当たり前」を繋いで生きていく、まるでMr.Childrenの歌詞にでも出てきそうな、そんながむしゃらな日々が続いた。
介護の仕事の入り口にも立てていない自分。しかし自社の開業は一日追うごとに迫ってくる。私は焦っていた。この「当たり前」をこなしていくだけの時間の使い方が、本当に正しいのか不安になり、帰ったら夕飯もそこそこに、書店で買い漁った介護保険の本を読みふけっていた。自らに置かれている、漠然とした不安を拭い去りたい一心で。
続く