まず初めに、研修先で施設環境整備の仕事をしたのは本当に幸いだった。エプロンをして館内をグルグルと回り、全体を見ることができるこの職域は、初めて介護現場で働く私からしたら、衝撃と感嘆の連続であった。介護士、看護師、生活相談員…それぞれの職責の中で、皆が色々なアンテナを張り巡らせて仕事をしている。それを傍で配膳などしながら見ることができた。
それぞれの職責で仕事をすることが、どれだけ大切なことか。一人一人におしぼりを渡しながら、感心して見ていた。
しかしそれは同時に、それぞれの視点による考えや立場の違いによる相違が生まれ、チームワークを取っていくことの難しさ、コンセンサス(合意形成)を取ることの重要性について痛感することとなった。「マネジメント」の「専門家の通訳にならなくてはならない」という一文が、しみじみと伝わるものになった。
何もできない私が、こういった人たちにどんな影響をもたらして組織牽引をしていかなければいけないのだろうか…考えると目の前が真っ暗になった。
続く