わかってない人に何かをやらせようとするのは難しいですよ、という話です。
我々は現場でいろいろな場面で理想的な『前向きアプローチ用語』を耳にします。
利用者の尊厳とか、自立支援とか、残存機能の活用とか、接遇とか、信頼関係とか。
最近の新人さんが自立支援という言葉ではなかなか指示が入らないのは、自立支援のその先にあるものを見たことがないのです。
要するに『良くなった事例』を見たことがない、ということです。
ほぼ寝たきりの利用者が1年後には歩けるようになっていた、とか。
暴れだすと手がつけられないような認知症の方が穏やかになっていった、とか。
おむつをしていた人がおむつをしなくてもトイレで排泄をできるようになった、とか。
とにかく、『改善した事例』を見たことがないのです。
見たことがないものを信じるというのは難しいのです。
こちらの方は寝たきりの方は、きっと歩けるようになるでしょう、とか
今は経管栄養だけど、必ず経口摂取できるでしょう、とか
そういうのは、見たことがある、やったことがあるから言えるのです。
最近、そういう成功事例を知らないリーダーさんも増えてきていますよ。
見たことがないから、何を信じて、どこからやったらいいのかわからないのです。
介護的な考え方で言うと
寝たきり→寝返り→起き上がり→座位保持→立位→歩行
というプロセスでADLの支援を行うのですが、ポジティブなアプローチが相手の可能性を広げる、ということを知らない人にとっては難しいよねってことです。
さらに言いますと、そんなポジティブアプローチがめんどくさいとか、興味がないとなると、さらに手が付けられません。
だから、『自立支援』という言葉ひとつ取っても、知らない人には「おばけ」と同じなんです。
お化けを見たことがない人に、「お化けを信じろ」とか「お前の後ろにお化けがいるぞ」と言っても嫌がるだけなのです。
だから『自立支援ですよ!』と言えば言うほど嫌がられるのです(笑)
お化けですから(笑)
宣伝:8月6日13時からスキルマトリクスセミナー(千代田区紀尾井町)4,000円
知野吉和
うちの施設の主任は、自立支援が大好き過ぎて…利用者を脱臼させて病院送りにしましたが…
犯人は自分と気づいていません。
大切な事ですが…
勘違いヤローには、危険な言葉ですね
自立支援が大好き過ぎて、というあたりがいいですね(笑)もっとわかりやすい言葉が必要かも知れませんね(^^♪