新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

良いケアは教えないとできない


どうせ業務良いケアは業務にしないとできないよね、という話です。

介護の仕事は、とにかく生活に必要な援助をするので、気づきと優しさがあれば、仕事としては最高なんです。
でも、気づきと優しさのある職員ばかりでないので、生活に必要なことをなんでもスケジュール化せざるを得ないのが、介護の仕事、ということではないでしょうか。

ある施設での話ですが、食事の時のお茶が一杯しか飲めない(おかわりという配慮がない)ユニットとか、レクがないユニットとか、午前中に入浴を終わらせて、午後はずっと寝かせて職員はテレビや新聞を見ているだけのユニットとか。

こまかい話ですが、介護が大好きな職員が聞いたら怒り狂うような事例を僕はたくさん聞きます。

そういう(いわゆる怠けていると言われている)職員とお話をしていると、彼らは彼らなりに忙しい中がんばっているのです。
気づきのある職員にとっては、使えない職員ですが、彼らはじゅうぶん仕事をしているつもりなのです。

パッド交換で10分かけて当たり前、シーツ交換で1ベッド30分かかって当たり前、入浴1人1時間かかって当たり前なのです。
早くても丁寧にやるということを知らないのです。
おむつは漏れて当たり前、便が上着にまで漏れてからやっと交換するのも当たり前。
そこまで漏れる前に確認すればいいのに、そういう配慮がないのです。

これは職員の気持ちとかやる気の問題もありますが、そもそも介護の仕事がそういう配慮していくものだということを知らないのです。
予防的にかかわる、自立支援的にかかわる、などということは知らないのです。

知らない人には教えるしかありません。
教えてもダメなら、それはもう、介護に興味がないんでしょうね。

気づきに任せない方法は業務にするしかないと思います。

爪切り、衣類の乱れを直す、姿勢を直す、会話をする、目ヤニを拭く、口の周りを拭く、ゴミを拾う、ベッド周りを整える、とか、業務にすればいいんでないでしょうかね。
水分補給だって業務としてやってるんだから、業務にすることは問題ないと思います。

とにかく、良いケアは教えないとできないんですわ。
人間として当たり前とか、尊厳とか、抽象的な言葉だけではなんの変化も期待できません。

気づきに任せて現場の自由にさせたら怠けたい職員にとっては天国です。
利用者にとっては地獄ですけどね。

皆さんの施設は大丈夫ですか?

知野吉和

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