新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

不機嫌な自己流を脱却する方法


img_6727.jpg介護職員の自己流をどう超えるか、というお話です。
ちなみに自己流の人はたいてい不機嫌です。

新人時代に、見て覚えろ、やって覚えろ、習うより慣れろ、で覚えた人たちは、自分の向上心や人間性だけを支えに、レベルを上げていきます。
僕の理論では、『1200回以上の繰り返し行動で慣れる』としています。
おむつ交換、車いす移乗など、それぞれを1200回以上やることで、慣れるのです。

慣れとは、身体(小脳)が覚えている状態です。
最初は緊張しながら、あーでもない、こーでもない、という前頭葉あたりが迷いながら、脳のイメージと、身体の動きを一致させようとします。

1200回~2000回あたりで考えなくとも動けるようになります。
小脳に動きがインプットされた状態です。

ここまでの問題としてあるのが、指導者がいい加減な教え方をした場合、かなり低いレベルの自己流でとどまります。
おむつ交換しても漏れたり、シーツ交換してもシワが多かったり。
不完全な状態で、慣れるのです。

まず指導者に大事なのは、正しい動作、手順を教えること。
そしてちゃんとできたら合格を言い渡すことです。

よく新人が『指導する人によって違うことを言うので迷う』
と勇気を出して先輩に言うと
先輩は『いいところを真似ればいいのよ~』
と優しく言いますが、新人にいいところを判断させるのは危険です。
いいところ=楽な選択をするケースがあるからです。

それでも迷いながら1200回までに成功パターンを身につけた人は、とりあえず業務に支障なく過ごせます。
正しいかどうかはわからないままですから、こういう人が新人指導にあたると、見て覚えろ、の連鎖となります。

たぶんそういう伝言ゲーム的に年月を過ごしている施設は、年々レベルが下がっていくことでしょう。

そしてもう一つの課題が、6000回です。

スキルマトリクス理論では、プロとしてのラインが6,000回以上の繰り返し行動をしているかどうかです。

慣れたころの職員が、「どうしてこれはこうなんだろう?」とか「これって何のためにあるんだろう?」と
新人の頃とは違った意味で疑問を持ち始めます。

その問題や疑問をズバリと解決してくれる指導者がいて、6000回を迎えた職員はプロになります。
疑問を解消されないまま6000回を迎えた職員は「あきらめ」「がまん」「ふてくされ」「ひらきなおり」ます。

もういいや、どうせ先輩に聞いても意味ないし、とか。
どうせ社長に言ってもわかんないから、テキトーにやっとくわ。
となります。いわゆる不機嫌な状態です。

すでに6000回を超えて、不機嫌な人は、もうダメなのか?
大丈夫です。
スキルマトリクス理論では、仕事を辞めない限り望みはあります。
・教科書通りにおむつ交換をする
・教科書通りにシーツ交換をする
・教科書通りに認知症対応をする
です。

とにかく、自己流になっているところを教科書通りにやってみて、何が違うのか、何がいいのかを考えることです。
比較して、違いと同じを探すことで、不機嫌な自己流を脱却できます。

知野吉和

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