新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

プロと専門用語の関係


  一時期、介護業界では専門用語を使わないようにしよう運動がありましたが、今はどうなってるんでしょうかね?

僕は最初から専門用語を使ってこそプロであると思ってますので、わざわざ日常会話レベルの言葉にする必要はないと思ってます。
もちろん、利用者、家族や業界にいない人にはわかりやすい言葉にするのは当たり前ですけどね。
 
≪プロとは何か。≫
 
プロとは、目的を達成するために自分の専門性を持って状況に応じて適切に言葉と道具を使うもの
 
と考えています。(私なりの定義です)
 
専門性を高めていくと必ずぶち当たるのが、言葉の定義です。それもかなり早い段階です。
何を見たてて何をするのか?自分が状況をつかむにも、連携するにも、大切なのは、情報を把握する力です。その時に使うのが言葉です。だから定義を持つ言葉が必要なのです。
日常生活用語は定義があいまいです。ぼんやりした言葉でプロ同士が連携していたとしたら、伝言ゲームのようになって、情報が違うものになる恐れがあります。
そんなわけねーじゃんと思われた方はプロとしてシビアな仕事をしてない証拠ですよ。うっしっし
  
悲しいことに介護職員の多くは、言葉の定義をあまり大切にしてません。実際調査した経験がありますし、今も研修をやるときは調査をしています。調べてみると、かなりテキトーに使っていることがわかります。
実際の用語の理解度調査をすると面白い結果の例を紹介しますね。
  
挙上→殴る
離床→死ぬ
脳卒中→新しい認知症の名前
発赤→はっか(と読む人)
失禁→おもらし
BPSD→ほぼ無回答
ハンドリム→ほぼ無回答
ADL→日常生活動作と答えるのが精一杯で、項目が言えない人がほとんど
  
 と、こんな状況です。
プロの連携とは共通言語のやりとりです。
医療職はかなり鍛えられてますから、カンファレンスでは専門用語が飛び交います。そこに介護職員がついていけないのです。
これでは馬鹿にされても何も言えません。
わざと難しい専門用語を使って優越感に浸ろうとする医療職もいますが、それでもプロの世界にいるなら専門用語を学ぶ必要はあります。
  
認知症をニンチと言うのも、定義を考えたらおかしいのです。その時点でプロでないことがわかります。
  
でも、用語の理解は誰の責任なんでしょうかね?
やっぱり個人の努力しかないのです。先日、専門学校の学生にも同様の用語テストをやってみたところ、かなり低い点数でした。これでは授業の意味がわからないです。でもなぜか学生たちは難しい専門用語を使う先生の批判をしてきます。
本当は用語学習は個人の努力なんですよ。
  
介護のプロとして、ぜひ学習してもらいたいことがあります。
  1. 福祉と介護の意味の違い
  2. 介護と介助の違い
  3. 失禁の定義と、失禁の反対用語
  4. ADLの項目
  5. QOLの向上とは、何をしたらいいのか
  6. なぜ体位交換が体位変換になったのか
  7. ケアマネジャーはなぜケアマネージャーでなく、ケアマネジャーと言うのか

 

ぜひ、お時間のある方は調べてみてください。
  
例えば、1。介護と福祉の意味を知らないで使ってる人が多すぎます(>_<)僕は違和感ありすぎです。
よく介護職員さんが、職業を聞かれて、『福祉の仕事をしてます』と言いますが、『介護の仕事をしてます』が正解です。
  
そして5。寝たきりの方にも通用する考え方は何か、ぜひ考えてもらいたいですな。
 
  
定義を持つことはプロとしてのプライドにつながります。自信が持てないのは定義を知らないからです。
プロとしての自信は経験プラス定義の認識です。
僕も過去に鍛えられましたわ。『○○さんの徘徊について、、』などと言うと、すかさず『あなたの言う徘徊って、どういう意味なの?何をもって徘徊だと思ってんの?』とか。いちいち突っ込まれたものです。
そういうプロとしてのやり取りがカンファレンスでできるかどうかって重要ですよね。お互いが定義について突っ込めない、または突っ込まない環境であればプロは育ちませんよ。うっしっし
  
11月14日10時からの東区プラザでのセミナーでは、この辺りを説明します。どの知識がプロとしての自信につながるのか?大公開します(^o^)
  
とにかく、使う、使わないはそれぞれの判断として、専門用語を理解せずしてプロとは言いにくいかもね。というお話でした。
  
 笑顔が大事だ!というのは、定義がわかってからの話だと僕は考えています。
 
知野吉和


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