新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

生活能力か、介護スキルか。


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介護現場では本当に面白い話が聞ける。

たいてい最近の若い人たちの生活体験の少なさから来ているが、例えば。
・IHヒーターの上に電気ポットを置いてお湯を沸かしたら電気ポットが爆発した。
・アイスノンを枕の下にしいた。
・湯たんぽのお湯を少なく入れた。
・米とぎの時、洗剤を使った。
・お客様にコーヒーを出す際に、紙コップホルダーに入れて出した。
・やかんに水を満タンに入れて沸かしたら、噴火してた。
・認知症の人が『帰りたい』と言ったので帰した。
・利用者がお茶をこぼしたのに、テーブルを拭かないでいた。
・洗濯機に洗剤を一箱分、全部入れて回した。
他にも、皿の洗い方がわからない、掃除ができない、運転ができない、服の前後ろがわからない、などなど
いろいろと笑える話はあります。管理者は怒りと疑問と不安でいっぱいですけど(笑)

そのような人達の事を考えるときにひとつ考えて欲しいのは、介護のスキルと生活のスキルは別物ということです。
生活体験で培われるものと、介護技術として、専門性の中で培われるものがあるのです。

例えば、IHヒーターがない家庭で育った人にはIHヒーターの使い方はわかりません。これは介護技術ではないですよね?
アイスノンを枕の下に入れた事例は、家庭では冷えピタで育ったそうです。
湯たんぽの使い方がわからなかったのは、湯たんぽを使わない家庭でした。
認知症の人が帰りたいと言ったから帰したという事例は、これは目的がわかってない、仕事としての部分であるでしょう。
本当の意味の介護として見たら理想の対応ですが、ここは現実論で言ってますから。

今、世間のライフスタイルは多様化していますので、こういうことを知らないから、ダメと決めつけて欲しくないのです。
確かに、これはちょっとまずいぞ、と思われる職員もいますけどね。

こんなことから教えなきゃならんのか!?と相談を受けますが、やっぱりそうなんです。
時代ですからね。
基本は親の躾がベースですが、親が躾をしていないケースが増えています。これが今の時代です。
おむつ交換は教えるけど、湯たんぽの使い方は教えない、ではなく、そういった生活体験で学べることを
学べなかった職員もいますので、ぜひ教えてあげて欲しいものです。

ダメだ、と思う前に、『教えてなかったからできないのだ』と思って、教えてあげてください。
知識としてないものは、できません。お金がない人からカツアゲするようなもんです。

生活スキルの低いプロだっているのです。ご飯が作れない人気俳優もいるじゃないですか。
ただ、介護は生活支援であるから、やれて当たり前かもしれません。でもそれならやはり職場として教育する責任があるのではないでしょうかね。

職場が学校じゃない!という人もいますが、あれはウソですよ。転職してきた人が思うように働いてくれてないと、『あの人、前の会社で何をやってきたんだろうね』と影で言われます。前の会社で培ったことを期待しているということは、やっぱり会社は学ぶ場所なんですよ。
会社も学校です!だから教えるんです。教わるんです。

小学校でよくやってたキャンプとかカレーを作るとか、あれってやっぱり大事ですよね。あとお母さんの手伝いとか。お父さんの手伝いとか。一般常識は家庭で学ぶもの。

ちなみに、一般常識がないと言われる人たちに共通しているのは、『周り状況に応じてペースやタイミングを合わせられないこと』です。
これについては、かなり重要な知識ですので、11月14日の東区プラザでのセミナーでご紹介します。これがわかると『へんな職員』への対応がわかりますよ。
https://www.facebook.com/events/734966459943292/

今、介護施設は人材不足で、とにかく人がいてくれたら助かるので、どんな人でも入れてしまっているのが現状です。
だからこそ、イチから育てる勇気を持ってもらいたいものです。

知野吉和


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