新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

職人になるのは難しいんですよ


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プライベートの時間を削らないと職人にはなりませんよ、という話です

先ほどNHKで南部鉄の職人さん育成の問題で、古来の修行というカタチでは人は育たない、という番組を見て思ったことです。

古来の修行とは
・見て覚えろ、やって覚えろ精神
・習うより慣れよ精神
・雑用だけで5年とか
・10年やって、やっと次の工程に取り掛かるとか

この教育方法は、先生よりも、『生徒のやる気と根性ありき』なのです。
職業の選択肢が増えて、誰も興味を持たなくなると、この教育体制でやってきたところはあっという間に消滅します。
ニーズはあるはずなのに廃業する介護施設があるのは、人材育成の問題なのです。

番組では、働き方を今の時代に合わせないと、職人になろうとする人がいない、ということで
週休二日制、土日休み、残業ナシ、に。
プライベートの時間を使わないと、南部鉄瓶の作品はできないが、強制はできない、職員も家族サービスもある。
作品を作ることで自分のスキルが上がるのになー、と漏らす職人さん。
興味があったとしても、そこまでのモチベーションは求められないのがこのご時世です。

スキルマトリクス理論ではどのように『職人』にたどり着くのか。の解説

①仕事の手順、一日の流れ、役割を覚える(言葉で教えてもらう)
②それを実行する(一緒にやってもらう)
==ここまでが新人==

③作業の意味や、ゴール、どうしたらそうなるのか、という仕組みや根拠を知る(自己学習=形式知)
④それを実行して、成功パターンを身につける(自己学習=暗黙知)
==ここまでがプロ==

ある程度の回数を重ねると、ある日突然、はじめてのパターンに遭遇しても、ある程度の完成度を出せるようになる
この現象を言語化(形式知を増やす)したいか、さらに熟練度(暗黙知を増やす)を重ねたいか、でキャリアが変わります
そして、さらなるスキルアップに必要な要素は『リーダーシップ』です。
問題を見抜いて、相手にビシッとポイントで伝えるリーダーシップです。

職人コースの場合は
⑤仕組や根拠を踏まえつつ、どのようなパターンに関しても
⑥ほとんどをうまく収める。
そして、職人の条件は、『同業他社』『ライバル』から問題解決を依頼される、こと。
この現象がみられるとだいたい職人です。(他にもいろいろ定義はあるけど)

 

ちなみに問題解決の技術と、コミュニケーションスキルは別物です。
職人と言われる人たちに、コミュニケーションが上手な人も下手な人もいます。
これは比例しません。不愛想だけど技術の高い職人はたくさんいます。

 

なので、手技とコミュニケーション(メンタル)を一緒にしたスキルの指導法はダメです。
学びの根拠とか目的が違うので別々で学んでください。

 

話は戻りますが
8時間労働だけでは、プロや職人と言える人にはなりません。
基本的に8時間労働はアウトプット=表現の時間です
アウトプットしたことを振り返ったり、検証するのは、どうしても時間外になります。

 

プロや職人になるためのポイントは
『プライベートの時間に自己学習をする』しかないのです。
でも職人育成の問題はここではないのです

 

新人育成の方法に問題があるのです。
人材定着の問題のほとんどは新人育成の問題です。

プロや職人になる、というのは、その人の持つ内的要因が大きいのです。
ぜひ南部鉄器の方がこのブログを見つけて、参考にしていただけたらありがたいです。

介護現場も他の産業から見習ってほしいものですな
ちなみに『介護職人』という言葉が時々見受けられますがスキルマトリクス理論から見ると
そんな人、見たことありません!!!!
うっしっし

知野吉和


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