デンタルクリニックツチヤ 土屋信人の連載コラム

第29回日本障害者歯科学会総会・学術大会に参加をして

~広域医療における障害者歯科ネットワークの構築をテーマに~

日本障害者歯科学会では要介護者などの中途障害者についての発表も多くされています。今回はポスター発表もありましたのでご紹介させていただきます。新潟県歯科医師会の月刊誌に掲載された部分の引用もあり、少し時間が経ちましたが月刊誌の発行をまってのブログとなりますのでよろしくお願いいたします。

平成24年9月28日から30日まで、札幌コンベンションセンターにて第29回日本障害者歯科学会が開催され参加してきました。今年度のいずれの学会も同様と思われますが、昨年の東日本大震災をふまえてシンポジウムⅡ「東日本大震災後の歯科医療支援」として実際に現地へ歯科医療支援に行かれた方々の活動や、後方支援として支援者のメンタルヘルスケアを担われた方がお話をされました。また大会の開催地となった北海道は広大で6つの3次医療圏(1次医療機関として歯科診療所、2次医療として障害者歯科センター、3次医療機関として大学病院で構成される医療圏)を構成されて道内各地域での障害者歯科医療を担当する医療機関・人材の育成、ネットワーク化は大きな課題となっています。このことにより大震災と北海道という医療環境を踏まえて「広域医療における障害者歯科ネットワークの構築」を大会テーマとし、約2,000人の参加者が集まりました。

大会のテーマは、新潟県の医療環境においても、また2つの大地震や南北に渡って長い医療圏など非常によくあてはまり、特にシンポジウムⅢ「各地域における障害者歯科ネットワーク~行政・歯科医師会・大学の連携~」と題して、埼玉県・北海道・愛知県の障害者歯科保健医療事業についての紹介がされました。さらに障害者を持つ保護者の立場として障害者歯科ネットワークへ期待することを北海道自閉症協会副会長の野田孝子氏からも貴重なご意見を伺いました。このシンポジウムを通して、今年度より新潟県においても他県と同様に県認定障害者歯科診療認定医の制度がスタートし、障害者歯科ネットワークを推進する上で、これまで以上に各医療圏での認定歯科医の活躍が求められるのではないかと感じられました。

ポスター発表として新潟県歯科医師会障害者歯科センターより「特別支援を必要とする児童生徒の学校歯科健診用視覚支援カードの作成について」ということで、特別支援学校等の学校歯科健診おいては養護教諭の介助を必要とすることがあり、さらに健診不可能な児童生徒も3割程度存在したことからスムーズに学校歯科健診を受けることができるように支援用のカード作成した経緯について報告しました。ポスターの示説の際には、実際にiPadを用いてタブレットでの支援カードの使用例も見ていただき、当会ホームページからの支援カードのダウンロード等、発表内容に関する質問も多数受けました。また今後の運用についての報告が待たれるとの意見を多くいただき、これからの新潟県歯科医師会会員および多くの教育現場での支援カードの広く利用されることに対して期待されていると感じられました。

大会最終日には、残念ながら台風の影響を受け空路が閉鎖されたため足止めや遠回りを余儀なくされた参加者が多かった中、無事に新潟に到着できたことを感謝するとともに充実した内容の3日間を送れたと思います。

最後になりますが、11月8日は「いい歯の日」です。この日にあわせて燕歯科医師会では歯科健康フェアを開催します。皆さんよろしければお誘いの上ご参加ください。

燕歯科医師会 http://www5b.biglobe.ne.jp/~nishikan/

デンタルクリニックツチヤ http://www.dct1182.com/

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